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外国人応募者の断り方|採用面接後のトラブル回避、注意点を解説!

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外国人採用の現場では、面接を経た後に「不採用の連絡」を行う場面が必ず発生します。しかし、日本人採用とは異なり、文化的背景や在留資格などの制度的事情を考慮した対応が求められるため、断り方を誤るとトラブルや誤解、信頼の低下に直結するおそれがあります。
本記事では、外国人応募者への断り方における適切な伝え方やタイミング、注意点、文面例の活用方法について詳しく解説します。

断ることが目的ではなく、相手の尊厳を損なわず、企業の信頼を守るための配慮ある対応を重視しながら、採用後のリスク回避にもつながる実践的な知識をお届けします。

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外国人採用で「断る」という選択が必要になる背景

外国人採用では、選考の結果として「不採用」を伝える場面が避けられません。
しかし、日本人採用とは異なり、文化の違いや在留資格の制度、言語の壁などを配慮する必要があるため、断る際の伝え方には一層の注意が求められます。
応募者の立場では、選考結果がそのまま生活や将来の在留に直結するケースもあるため、企業としては信頼を損なわない丁寧な判断と対応が重要です。

採用要件との不一致、選考辞退など断りの判断が必要な場面

断りの判断が必要になる場面はさまざまですが、企業が冷静に見極めるべき代表的なケースは以下のとおりです。

  • 求めるスキル・経験に達していない場合:業務遂行に必要な技術、または日本語能力が基準を満たさないケース。
  • 在留資格と職務内容の不一致:たとえば、『技術・人文知識・国際業務』の在留資格を持つ方に対し、その資格で認められていない単純労働を依頼することは、入管法に抵触する可能性があります。
  • 勤務条件が合わない場合:労働時間、勤務地、給与などの条件が双方で折り合わないケース。
  • 応募者側からの辞退や条件変更があった場合:ビザの都合や母国の事情で、応募者が途中で就労意思を取り下げる場合もあります。

これらの判断は感情ではなく、明確な選考基準と業務適性に基づいて行うことが大切です。
曖昧な理由や主観的な印象だけで不採用とした場合、後々のトラブルにつながる可能性があるため、採用フロー全体で基準の明文化と一貫性のある対応が求められます。

応募者に誠実な対応をすることは、企業の信頼を守る第一歩です。判断が難しいときこそ、基準を丁寧に整理し、納得感のある説明を心がけましょう。

面接後の連絡を怠ることで起こりうる信頼・法的リスク

外国人応募者への選考結果の連絡が遅れたり、行われなかったりすると、次のようなリスクが生じます。

  • 企業への不信感の高まり:応募者は期待を持って面接に臨んでおり、結果を得られないまま時間が経つことで、企業に対して不信を抱くようになります。
  • 「不当な差別」への誤解:外国人であることを理由に選考が不透明だったと誤解されると、差別的対応と受け取られるリスクがあります。
  • ハローワークや人材紹介会社との信頼失墜:選考結果の報告がなければ、紹介元からの信頼も損なわれることになります。
  • 法的なトラブルに発展する可能性:ビザ申請中のケースなどでは、内定・不採用の連絡の遅延が就労活動に影響し、損害賠償や労働紛争に発展する恐れもあります。

採用の成否に関わらず、丁寧に連絡することが、企業の誠意を示す基本です。たとえ不採用であっても、誠実な姿勢が将来的な企業イメージと信頼の向上につながります。

応募者に配慮した断りの基本姿勢と考え方

外国人採用において面接後の不採用通知を行う際、単に選考結果を伝えるだけでは不十分です。言語や文化の違いを踏まえ、相手の立場に配慮した姿勢で対応することが、不要な誤解やトラブルを避けるうえで重要です。

断る行為は冷たい印象を与えがちですが、丁寧かつ誠実に伝えることが、企業への信頼や将来の評判にも直結します

文化的背景や言語面への配慮

外国人応募者に不採用を伝える際は、相手の文化的価値観や言語への理解が不可欠です。たとえば、遠回しな表現が失礼と取られる文化圏もあれば、直接的な表現が角を立てるとされる地域もあります。そのため、「曖昧にぼかす」のではなく、簡潔かつ明確な理由を丁寧な言葉で伝える工夫が求められます。

また、言語面では、日本語に不慣れな応募者に対して専門用語や複雑な言い回しを避け、できる限り平易な日本語や必要に応じた英語対応も検討しましょう。英語での断りメールを準備しておくことで、言葉の壁による誤解を減らし、相手に誠実さが伝わりやすくなります。

文化や言葉に対する理解は、単なる配慮ではなく、信頼関係を築く前提です。相手の視点に立った伝え方が、企業としての姿勢を表します。

日本人採用と異なる注意点

日本人応募者への断り方に比べ、外国人応募者には追加で注意すべき点が複数あります。そのひとつが、採用結果が在留資格の取得や維持に直接影響を与えるケースがあるということです。たとえば「内定が出ないとビザが申請できない」という状況にある場合、企業からの通知が遅れることで、相手が就労活動を継続できなくなる可能性があります。

また、外国人応募者の中には、文化的に採用決定を重く受け止め、断られることに強いショックを感じる人も少なくありません。そうした心理的影響も踏まえ、選考基準や不採用理由を明文化し、公平な判断に基づいて通知を行うことが大切です。

連絡手段にも配慮が必要です。基本は記録に残るメールでの連絡が望ましいですが、応募者の言語理解や状況に応じて、紹介機関を通じた連絡や、例外的に電話を用いることも検討されます。どの手段であっても、相手に誤解を与えないよう、丁寧な言葉遣いと迅速な対応を徹底しましょう。

外国人採用では、単に結果を伝えるだけでなく、「どう伝えるか」にこそ大きな意味があります。相手の状況を理解し、思いやりある姿勢で対応することが、誠実な企業としての信頼につながります。

外国人採用における断り連絡の基本と実務対応

外国人応募者への不採用連絡は、単に採否を伝えるだけでなく、言語や文化の違いを踏まえた慎重な対応が求められます。 伝え方によっては、誤解や不信感を招くこともあるため、企業として一貫性のある対応ルールを持ち、実務に即した手段を選ぶことが重要です。

記録が残る方法を基本とした手段の選択

不採用連絡の方法としては、記録に残るメールでの対応が推奨されるケースが一般的です。 メールは文面を見返せる安心感があり、企業としての対応履歴も管理しやすいため、実務上のトラブルを防ぐ目的でも有効です。

ただし、応募者の日本語理解力や受け入れ側の体制によっては、紹介会社を通じた連絡や、通訳を交えた口頭での説明が適切な場合もあります。あくまで応募者とのコミュニケーションに無理が生じないよう、相手の状況に応じて柔軟に対応手段を選ぶことが望まれます。

書面による通知は、ビザ申請や制度的な必要性がある場合に限られ、一般的な選考結果のご連絡はメールを用いるのが一般的な対応といえます。

連絡のタイミングについては、面接終了後なるべく速やかに、遅くとも3営業日以内を目安に行うことが好ましいとされています。連絡が遅れたり、無連絡のまま放置したりすることは、応募者に不信感を与え、企業の信頼性低下につながる可能性があるため注意が必要です。

伝え方における基本マナーと注意表現

断りの連絡では、応募者に対する敬意と配慮を忘れず、明確かつ丁寧な表現で伝えることが基本です。 特に外国人応募者に対しては、スキルや語学力、文化的背景への否定的な言及を避けるよう十分に注意しましょう。

避けたいNG表現

  • ×「ビザ取得が煩雑なので今回は見送ります」
  • ×「あなたの経歴では難しいと判断しました」

適切な表現例

  • ○「慎重に社内で検討を重ねた結果、今回はご期待に添えない結果となりました」
  • ○「多数の応募者の中から厳正に選考を行い、今回は他の候補者を採用することとなりました」

また、応募者が十分な日本語力を持っていない場合には、可能であれば英語や母国語の補足を添えることや、平易な日本語表現を選ぶことも必要です。これにより、誤解を防ぎ、相手への誠実な対応が伝わります。

面接後の断り文例とテンプレート(日本語・英語)

外国人採用において面接後に不採用を伝える際は、文化的背景や言語の違いを十分に考慮した対応が必要です。伝え方を誤れば、応募者の誤解や不信感を招くだけでなく、トラブルの原因となる可能性もあります。

そのため、面接結果を伝える際は、記録に残るメールや書面での通知を基本とすることが望ましいです。ここでは、日本語・英語の両方に対応したメール文例を紹介し、状況に応じた使い分けができるようにします。

採用見送りのメール文例(日本語・英語)

 

メール文例(日本語)

 

件名:選考結果のご連絡(〇〇職 募集について)

 

〇〇様

このたびは弊社求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
慎重に選考を行いました結果、誠に残念ながら今回は採用を見送らせていただくこととなりました。
ご期待に添えず恐縮ではございますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
〇〇様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

株式会社〇〇
採用担当 〇〇

 

Email Template(英語)

 

Subject: Application Result for [Job Title] Position

 

Dear [Applicant’s Name],
Thank you very much for applying to our company.
After careful consideration, we regret to inform you that we have decided not to proceed with your application at this time.
We truly appreciate your interest in our company and wish you every success in your future endeavors.

 

※ 電話での通知は、応募者が十分な日本語能力を持つ場合など限定的に使用されることがありますが、文化的誤解や記録の残らないリスクを考慮し、原則としてメールでの連絡を推奨します。

ケース別(スキル不一致/社内方針変更/社内選考通過者あり)

不採用の理由に応じて、文面の内容を調整することで、応募者への配慮と誠意をより明確に伝えることが可能になります。ここでは、特に多い3つのケースに応じた表現例を紹介します。

スキルや経験が要件に合わなかった場合

 

日本語文例

 

〇〇様のご経験・ご経歴は大変魅力的でございましたが、今回のポジションにおける業務要件との適合性を総合的に判断した結果、見送らせていただくこととなりました。

 

英語文例

 

While your background and experience are impressive, we found they did not fully match the current requirements for the position. Accordingly, we have decided not to proceed with your application.

 

 

社内の方針変更や採用計画の見直しが理由の場合

日本語文例

 

社内の採用方針に変更があり、募集ポジションの見直しを行うこととなりました。誠に申し訳ございませんが、今回は選考を終了とさせていただきます。

 

英語文例

 

Due to internal changes in our hiring policy, we have decided to revise our current recruitment plans. As a result, we will not be continuing with the selection process for this position.

 

 

他の候補者が最終的に選ばれた場合

日本語文例

 

慎重な選考の結果、今回は他の候補者を採用させていただくこととなりました。〇〇様のご応募に深く感謝申し上げます。

 

英語文例

 

After careful evaluation, we have selected another candidate for this position. We appreciate your interest and the time you invested in the process.

 

 

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外国人応募者への断り方で起こりうるトラブルと回避策

外国人採用において面接後に不採用を伝える際は、日本人応募者以上に注意が必要です。文化や法制度、在留資格など、外国人特有の事情が絡むことで、断り方次第でトラブルに発展するリスクもあります。ここでは、実際に起こりうる代表的なリスクと、それを防ぐための正しい配慮と対応の考え方を紹介します。

差別的表現と誤解されるリスク

外国人応募者への不採用通知においては、使う言葉や説明の仕方によって、差別的と受け取られる可能性があります。たとえば「日本語がうまくないから不採用」「国籍が違うから文化的に合わない」といった理由は、たとえ事実や業務上の要件であっても、表現方法を誤ると差別と捉えられる恐れがあります。

以下の点に注意が必要です。

  • 国籍や宗教に言及しない表現を使う
  • スキルや要件に基づく判断であることを明示
  • 業務内容との適合性を軸に説明する

また、外国人採用に慣れていない企業ほど、「つい口にしてしまう」曖昧な表現により、本人に悪い印象を与えてしまうことが少なくありません。これは企業側の意図とは関係なく、応募者の信頼を損なう原因になります。

人種・国籍・宗教に関する要素は一切評価に関係しないという姿勢を明確に示し、丁寧な言葉選びと誠実な説明を心がけることがトラブル防止の第一歩です。

在留資格やビザ申請中の注意点

外国人応募者の中には、すでに就労ビザの申請手続きを進めている人や、在留資格の変更を予定している人も少なくありません。このような状況で不採用を伝える際には、タイミングや内容に細心の注意が必要です。

特に以下の点に留意することが重要です。

  • ビザ申請・更新中の応募者には、進捗への影響を考慮
  • 理由を説明する場合は、在留資格の不適合ではなく「社内要件による判断」と伝える
  • ビザ関連の状況を把握している場合は、応募者が今後の対応を取りやすいよう配慮した情報提供を行う

たとえば「貴殿の在留資格が業務に適さないため…」という言い方は、本人の責任を強調するように聞こえ、誤解や不満を招く原因になります。こうした場合、「業務に求められる条件との適合性から慎重に検討した結果」といった、中立的で配慮のある表現を使用することが望ましいです。

また、ビザ手続きに絡む嘘や誤情報の提供は絶対に避けるべきです。結果的に本人の在留資格の取得や更新が妨げられるリスクがあるため、信頼を損なうだけでなく、トラブルや法的責任にもつながりかねません。

法的観点から見た「断り」の表現と管理記録

外国人応募者への不採用通知が不適切な表現だった場合、差別・誹謗中傷・虚偽記載などとして法的な問題に発展する可能性があります。さらに、外国人を対象とした求人に関しては、ハローワークや人材紹介機関との情報共有義務も発生するため、断り方とその記録管理は、企業の法務リスク管理においても重要な要素です。

以下のポイントを押さえて対応しましょう。

  • 断りの通知は社内でテンプレート化し、文面のダブルチェック体制を整備
  • 口頭で伝える場合も、会話の要点を記録に残す(可能であれば書面やメールでの通知が望ましい)
  • 応募者が紹介会社経由の場合、断り理由の共有範囲・表現について、事前に合意を取る

特に外国人応募者の場合、「理由を明確にしてほしい」と求められるケースが多くあります。とはいえ、詳細な不採用理由を説明しすぎることで誤解や法的トラブルを生むこともあります。あくまで「総合的判断の結果」など、限定的で柔らかい表現にとどめるのが無難です。

断りに関する記録管理の徹底は、企業を守る法的防波堤となります。

仲介機関・人材紹介会社を通じた断り方の注意点

外国人採用においては、人材紹介会社やハローワーク、登録支援機関などの仲介機関を通じて応募者と接点を持つケースが多くあります。こうした間接的な選考フローでは、企業が応募者本人と直接やり取りを行えないことも多く、断り方にも独自の配慮が必要です。

トラブルを避け、関係各所との信頼関係を損なわないためには、連絡方法・タイミング・文面の伝え方について、各機関の特性やルールに準じた丁寧な対応が欠かせません。

直接連絡ができないケースとその対処法

人材紹介会社や送り出し機関を介した採用では、応募者との直接的なやり取りが制限されることがあります。特に外国人の場合、応募から面接、連絡までを一貫して機関が代行するケースが多く、企業が独自判断で応募者に連絡するのは原則NGとされる場合もあります。

こうした場合、以下のような対応が適切です。

  • 断りの意思は、まず紹介元の担当者へ明確かつ簡潔に伝える。
  • 応募者に伝える内容は、紹介会社側が使用する文面フォーマットや文化的配慮の基準に沿って調整してもらう。
  • 「なぜ不採用にしたのか」という理由の詳細開示を求められる場合でも、業務適合性や選考基準に関する定型的な説明にとどめる。

また、紹介手数料や契約条件に「内定後の辞退・企業都合による断り時の対応」が明記されていることが多いため、契約書を事前に確認しておくことも重要です。

トラブル防止の観点からは、すべてのやり取りを記録に残し、社内でも共有できるよう文書化しておくことが望まれます。

ハローワーク経由での対応ルールとマナー

外国人採用においても、ハローワーク経由で求人を出している場合は、選考結果の通知方法や対応ルールに一定のガイドラインがあります。特に公的機関を通じたやり取りでは、適切な対応を行わなかった場合、行政指導や求人掲載の制限といった影響も考慮すべきです。

具体的なポイントは以下の通りです。

  • 不採用の際は「ハローワーク紹介状を返却」しなければならないケースがある。
  • 断り連絡を行う際には、担当職員や窓口を通じて、応募者へのフィードバックを依頼する形式が基本。
  • 文面や口頭のやり取りはすべて「敬意と公正さ」を重視し、差別的・一方的な表現を避ける。

また、ハローワークには外国人雇用に関する専門窓口が設置されている自治体もあり、断りの伝え方について事前に相談が可能です。

加えて、ハローワークを通じた採用では「外国人雇用状況の届出」が義務付けられるケースもあるため、選考の終了タイミングでの対応が遅れないよう注意しましょう。

まとめ:断る際も「丁寧・公平・記録に残す」姿勢が重要

外国人採用における面接後の断り対応では、文化や言語の違いを理解したうえで、丁寧かつ公平な姿勢を保つことが不可欠です。曖昧な表現や対応の遅れは、誤解や不信を招き、トラブルに発展する可能性があります。

断りの理由は明確に、方法は記録に残るメールを基本とし、仲介機関やハローワークを通じた際もルールを守ることが大切です。応募者への敬意を忘れず、社内での情報共有や記録管理を徹底することで、採用活動全体の信頼性と透明性が高まります。

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ABOUT ME
監修者:新田悟朗
【株式会社ゴーイング 代表取締役】 株式会社ゴーイングの代表者として事業活動を行う一方、監理団体の監査も行う。 外国人雇用労務士として、これから外国人を雇い入れたいと考えている経営者、人事担当に役立つ、最新の知見を発信。 外国人材のニーズが高まる現代において、外国人材の雇用問題を解決するべく正確な情報を伝える。