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ベトナム人採用を検討中の企業必見!特徴・採用の流れ・注意点を解説

人手不足の解消や若手人材の確保を目的に、ベトナム人の採用に注目する企業が増えています。ベトナム人は勤勉で素直な気質を持ち、特に製造業や介護、外食業など幅広い分野で活躍しています。本記事では、ベトナム人を雇用する際に知っておきたい在留資格の種類や手続き、文化的背景から生じる注意点、日本語能力の考慮や生活支援の重要性について解説します。企業が安心して採用を進められるよう、必要な知識を分かりやすくまとめました。

ベトナム人雇用が注目されるメリットと企業の導入背景

若年層の人材が豊富で定着も見込める

日本国内では少子高齢化による労働力不足が深刻化していますが、ベトナムは平均年齢が30歳未満と若年層が多く、エネルギーと成長意欲を持った人材が豊富です。特に手先の器用さやまじめで勤勉な国民性は、日本企業の現場にフィットしやすく、長期的な定着も見込めます。

親日的な文化背景と高い日本語学習意欲

ベトナムでは日本文化や日本語教育が広く普及しており、日本企業への関心も高い傾向にあります。技能を学びながら日本で働きたいという意欲を持つ人が多く、語学学校や大学でも日本語を履修する学生が増加中です。そのため、職場でのコミュニケーションも比較的スムーズに進みやすいと言えます。

多様性による組織の活性化にもつながる

ベトナム人の採用は、単なる労働力確保だけでなく、社内の価値観や視点を多様化させる効果もあります。異文化に触れることにより、既存の社員の意識や業務改善の意識も向上することがあり、結果的に組織全体の活性化に寄与します。

ベトナム人を雇用する際の在留資格とその違い

就労可能な主な在留資格とその概要

ベトナム人を日本で雇用する際には、必ず在留資格(ビザ)を確認し、従事させる業務に適合しているかを判断する必要があります。主に以下のような在留資格が該当します。

技術・人文知識・国際業務

専門学校・大学などで学んだ分野に基づく業務に従事可能。事務職、エンジニア、通訳など。

特定技能1号

建設・介護・外食など特定の1614分野での業務に従事可能。一定の日本語能力と技能評価試験の合格が要件。

留学

アルバイトは週28時間以内。卒業後に就労ビザへの変更が必要。

永住者・定住者

就労制限なし。自由な職種・業種で働くことができる。

業務内容と在留資格の整合性に注意

雇用する際は、予定する業務内容が在留資格で認められた範囲かを必ず確認しましょう。たとえば、技術・人文知識・国際業務の資格を持つベトナム人を、工場のライン作業や単純労働に従事させることはできません。違反した場合、企業側にも罰則が科される可能性があります。

在留カードのチェックと資格外活動許可の確認

採用時には必ず在留カードを確認し、以下の点に注意してください。

  • 在留期限
  • 在留資格の種類
  • 就労制限の有無
  • 資格外活動許可の有無(留学生アルバイトなどの場合)

在留カードの裏面に「週28時間以内」「風俗営業等の従事を除く」などの記載がある場合、働ける時間・内容に制限があるため、違反しないように管理体制を整えることが重要です。

ベトナム人採用に必要な手続きと準備書類

雇用前に行うべき手続きの流れ

ベトナム人を正式に雇用するには、いくつかの行政手続きを順序立てて行う必要があります。特に特定技能や技術・人文知識・国際業務などの在留資格で雇用する場合には、下記のような手続きが必要です。

  • 在留資格の確認および就労可能性の確認
  • 雇用契約書の作成(労働条件を明記したもの)
  • 在留資格変更許可申請または在留資格認定証明書交付申請(必要な場合)
  • 雇用保険・社会保険の加入手続き
  • 外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

このように、採用が決まってから入社までに必要な準備が多いため、社内の人事・労務担当者との連携体制を整えておくことが重要です。

提出書類とよくある記載ミスへの注意点

在留資格の申請や変更時に提出する代表的な書類は以下の通りです。

  • 在留資格変更許可申請書または在留資格認定証明書交付申請書
  • 雇用契約書の写し(労働条件が明記されたもの)
  • 会社案内・登記事項証明書・決算書類(企業概要を示すため)
  • 業務内容説明書(雇用する業務の具体的内容)
  • 本人の履歴書、卒業証明書、職務経歴書など
  • 在留カードのコピー、パスポートの写し

申請書類の作成時には、職務内容と在留資格の整合性を保つことが最も重要です。実際の業務と書類に記載された業務が一致していないと、審査不通過や不許可となる場合があります。

登録支援機関や行政書士のサポート活用

特定技能での採用を検討している場合、登録支援機関の活用が必須となることがあります。登録支援機関は、生活ガイダンスや定期面談、日本語学習支援など、受け入れ企業が行う支援業務を代行してくれる存在です。

また、在留資格申請の際には行政書士への依頼も有効です。とくに書類作成に不安がある場合は、専門家のサポートを受けることで、手続きの負担軽減と許可率の向上が期待できます。

ベトナム人材の特徴と企業が期待すべき能力

ベトナム人材に多い性格傾向と職場での強み

ベトナム人労働者は、以下のような特徴を持つ人材が多いとされています。

  • 勤勉で素直な姿勢:上司や先輩の指導をしっかり受け止め、丁寧に仕事に取り組む傾向があります。
  • 向上心がある:専門知識やスキルを積極的に学ぶ姿勢が強く、日本語の習得にも意欲的です。
  • チームワークを重視:協調性を持って働く人が多く、職場内での人間関係を大切にする傾向があります。

このような性質は、特に製造業・介護・建設などの現場で活躍する外国人材において、大きな強みとなります。

日本語能力とコミュニケーションへの配慮

採用前後での日本語能力には個人差があり、現地の日本語教育機関や日本語能力試験(JLPT)を通じて学んできた人材もいれば、業務上のやり取りに不安がある人材もいます。

採用の際は以下の点に注意しましょう。

  • 会話レベルの確認:N3~N2レベルがあれば、基本的な指示理解や簡単な報告は可能です。
  • 書類作成や読み書きの対応:文書の読解や記入を業務に含む場合は、N2レベル以上が望ましいです。
  • 現場での用語への慣れ:現場独自の専門用語・略語については、採用後にOJTでサポートする体制が重要です。

また、日本人社員との円滑なコミュニケーションを促進するため、職場内での言語配慮(やさしい日本語の使用、翻訳ツールの導入など)も有効です。

業種別に見たベトナム人の活躍分野

ベトナム人労働者は以下のような分野で多く活躍しています。

  • 製造業(食品加工、電子機器組立、機械加工など)
  • 建設業(土木、配管、塗装など)
  • 介護業(特定技能分野での介護補助業務)
  • 外食・宿泊業(調理補助、清掃、接客など)

これらの業界では、ベトナム国内の専門学校や技術教育機関を卒業した若年層が多く、比較的早く業務に馴染むことが可能です。

また、ベトナム国内の日本語教育水準も高まっており、日本での就労を希望する人材のレベルは年々向上しています。

ベトナム人を雇用する際の注意点

労働条件・雇用契約の明確化

ベトナム人を雇用する際には、労働条件を「明確に」「分かりやすく」伝えることが非常に重要です。特に以下の点に注意してください。

  • 契約書は必ず翻訳済みの母国語版を用意する
  • 就業時間・休日・給与体系・残業規定などを曖昧にしない
  • 労働条件通知書と実際の業務内容に差が出ないように管理する

曖昧な説明や、入社後の条件変更は不信感やトラブルの原因になります。書面に残すとともに、本人に内容が正しく伝わったかの確認も必要です。

文化的背景の違いによる誤解を防ぐ

日本とベトナムでは働き方や価値観に違いがあるため、トラブル防止には「文化の相互理解」が欠かせません。

  • 上下関係や報告のタイミングに対する認識の違い
  • 遅刻や欠勤に対する感覚のギャップ
  • 指導時の言葉選びや態度が誤解を招くことも

これらを解消するには、定期的な面談やフィードバックの機会を設け、「何が伝わっていて、何が伝わっていないか」を確認することが重要です。また、社員向けに「異文化理解研修」を実施することも有効です。

ベトナム人雇用の企業事例

採用企業の事例と成功要因

実際にベトナム人を採用して成功している企業の共通点には、次のような特徴があります。

  • 日本語研修や生活支援制度を用意している
  • 社内に相談窓口を設け、定期的な面談で不安を解消している
  • キャリアアップや昇給制度が明確で、評価が可視化されている
  • ベトナム人社員をリーダーに登用し、モチベーション向上を図っている

ある製造業の中小企業では、ベトナム人社員が入社3年目で現場リーダーを任され、チーム全体の生産性向上に大きく貢献したという例もあります。企業が丁寧に向き合うことで、外国人材の持つポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になります。

文化理解と相互コミュニケーションの促進

ベトナムと日本では、職場のマナー・上下関係・仕事への価値観に違いがあります。こうした違いを放置すると誤解が生まれ、職場内の不和につながることもあります。

文化ギャップを埋めるために、企業が実施すべき施策には以下があります

  • 上司・先輩社員向けの「異文化マネジメント研修」
  • ベトナムの文化や宗教、風習についての社内共有
  • 通訳やメンター制度の導入
  • 双方向の意見交換の場を設ける(社内報、ヒアリング会など)

一方的な適応を求めるのではなく、「相互理解」の姿勢が重要です。チームの中で信頼関係が築ければ、生産性や定着率も自然と高まっていきます。

長期雇用・キャリアパス設計の工夫

ベトナム人材を一時的な労働力ではなく、将来的な戦力として活用するためには、明確なキャリア設計と育成体制が求められます。

特に若年層のベトナム人労働者は、スキルアップや昇進に対して高い意欲を持っています。そのため、以下の取り組みが効果的です

  • 年次や業務評価に応じた昇給・昇格制度
  • 現場リーダーや管理職へのステップ設計
  • 国家資格・技能検定などの取得支援
  • 長期的な雇用ビジョンの共有

「ここで成長できる」という安心感があることで、モチベーション維持と離職防止に繋がります。企業にとっても、熟練度の高い人材を継続して確保できる大きなメリットになります。

まとめ

ベトナム人材の雇用は、労働力確保だけでなく、組織の多様性や活性化にもつながる大きな可能性を秘めています。勤勉で柔軟な働き方を持つベトナム人労働者は、製造業・介護・サービス業などさまざまな分野で即戦力として活躍しています。

一方で、在留資格の適正確認、日本語・生活支援、文化の違いへの配慮など、受け入れる企業側の体制整備も欠かせません。単なる「労働力」として扱うのではなく、将来を見据えたキャリア設計と、信頼関係を築くためのサポートが、雇用の成功と定着の鍵を握ります。ベトナム人雇用を成功させるには、「制度理解・準備・育成」の3点を丁寧に実行することが重要です。企業の成長と国際的な人材活用の実現に向けて、積極的かつ誠実な取り組みが求められます。

ABOUT ME
監修者:新田悟朗
【株式会社ゴーイング 代表取締役】 株式会社ゴーイングの代表者として事業活動を行う一方、監理団体の監査も行う。 外国人雇用労務士として、これから外国人を雇い入れたいと考えている経営者、人事担当に役立つ、最新の知見を発信。 外国人材のニーズが高まる現代において、外国人材の雇用問題を解決するべく正確な情報を伝える。